
相続や住み替えなどでマンションの売却を検討する際「室内が汚れていても本当に売れるのか」と不安を抱える方は多いのではないでしょうか。掃除やリフォームが手つかずのまま放置された物件では、買い手が見つかるか悩むのも当然です。
そこで本記事では、マンションを汚い状態のまま売却する方法や注意点、スムーズに売るためのポイントを具体的に解説します。状況に合った売却手段を選ぶことで、早期の成約につながる可能性は十分にありますので、マンションが汚い状態で売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
マンションを汚い状態のまま売却することは可能
築年数が経過し、室内に汚れや傷みが目立つマンションでも、売却は十分に可能です。法律上、売却時に室内を原状回復したり、清掃や修繕を行ったりする義務はなく「現況のまま」での取引も一般的に広く行われています。
ただし、室内の状態が悪ければ印象が悪くなりやすく、価格の減額交渉を受けたり売却期間が長引いたりするリスクもあります。特に、長年手入れされていない空き家や相続物件などでは、残置物や生活感がマイナス要素として見られるため注意が必要です。
一方で、売却方法や価格設定、最低限の清掃を実施するなどの工夫次第で、買い手にとって魅力的な物件として見せることも可能です。状態が悪いからといって売却をあきらめるのではなく、物件の特性に合わせたアプローチを行い、スムーズな売却を目指しましょう。
マンションを汚い状態のまま売却する2つの方法
室内が汚れていても、マンションを売却する方法は大きく2つあります。「現状のまま買取してもらう」か「清掃などを行ったうえで仲介により売却を行う」かのいずれかです。どちらが適しているかは、売却の目的や物件の状態、希望するスピードなどによって異なります。ここでは、それぞれの特徴について解説しますので、自分に合った方法を見極める判断材料にしてください。
現状のまま不動産会社に買い取ってもらう
「とにかく早く、手間をかけずに売却したい」という方には、不動産会社による買取が向いています。室内の汚れや設備の劣化、残置物があっても、そのままの状態で売却できるため掃除や修繕の必要がありません。
また、内覧対応や広告掲載も不要で、契約から現金化までがスピーディーに進むのも買取の大きなメリットです。ただし、買取価格は仲介よりもやや低めになる傾向がある点は、理解しておきましょう。
一方でリフォーム費用や管理費など、継続的に発生する費用負担が不要になることを考えると、最終的な収支で仲介と比べて得になるケースもあります。汚れが目立つ物件や、すぐに売却したい事情がある方には有効な選択肢です。
清掃を行い仲介による売却を依頼する
「できるだけ高く売りたい」「相場に近い価格で成約を目指したい」という方は、仲介による売却が適しています。仲介の場合は、売却活動の一環として購入希望者による内覧があるため、最低限の清掃や整理整頓が求められます。
室内の状態によっては、専門のハウスクリーニング業者に清掃を依頼するのも効果的です。費用はかかりますが、内覧時の印象が良くなることで、早期売却や減額交渉の回避が期待できるでしょう。
また、経験豊富な不動産会社に依頼することで、物件の状態を踏まえた適切な価格設定や販売戦略を提案してもらえます。「多少の準備が必要であっても高く売りたい」という場合、仲介は有力な選択肢です。
マンションを汚い状態のまま売却する3つの懸念点
室内が汚れていてもマンションの売却は可能ですが、状態が悪いまま売却活動を進めると、いくつかのリスクを伴います。ここでは、それぞれの懸念点について詳しく解説します。
売却活動が長引くリスクがある
室内の汚れや整理不足は、内覧時の第一印象に大きく影響します。水回りのカビやホコリ、ゴミの残存などが目立つと、購入意欲を下げてしまうでしょう。
また、広告に使用される室内写真でもマイナスの印象を与えるため、問い合わせすら入らないこともあります。売却が長期化すれば、その分だけ管理費や修繕積立金、固定資産税などの支出も続き、コスト面での負担が大きくなります。早期の成約を目指すなら、室内の状態が与える影響は軽視できません。
さらに、売却期間が長引くことで「売れ残り感」が出てしまい、興味を持ってくれた買主にネガティブな印象を与えることがあります。「長く売れていないのは、何か理由があるのでは」と思われると、価格を下げても検討対象にならないリスクがあるため注意が必要です。
減額交渉される可能性がある
室内の汚れや設備の劣化が目立つと、購入希望者から値下げ交渉を受ける確率が高まります。特に、リフォームやクリーニングが前提となる物件においては「その費用分を差し引いてほしい」といった要求が発生しやすくなります。
たとえ契約内容に「現況渡し」と記載されていても、内覧の印象が悪ければ価格交渉につながることは珍しくありません。そのため、売却価格を想定する際には、あらかじめ「室内の状態による値下げリスク」も織り込んでおくと安心です。
場合によっては、買主側が独自にリフォーム業者へ見積もりを取り、それを根拠に強気な減額交渉を持ちかけてくることもあります。このような事態を避けるには、売主側でもある程度の費用感を把握し、交渉を想定した価格設定を行うことが重要です。
不動産会社によっては売却自体を断られるケースもある
室内の状態がひどく劣化しているマンションでは、不動産会社によっては「取り扱いが難しい」と判断されることがあります。特に、仲介を中心に行う業者では「反響が見込めない」「販売活動に支障がある」と判断され、査定の段階で断られるケースもあります。
ただし、一社に断られたからといってあきらめる必要はありません。築古物件や汚れが目立つ物件を積極的に取り扱う業者も存在します。物件の特性に合った会社を選ぶことで、対応可能な販売ルートや買取提案を受けられる可能性もあるため、複数社に相談することが重要です。
また、買取を前提に相談すれば、状態が悪い物件でもスムーズに現金化できることがあります。現況のまま引き取ってくれる業者を見つけるには、実績のある会社や地域密着型の不動産会社に相談するのが近道です。選ぶ業者によって結果が大きく変わるため、物件の状況や売主の事情に応じて適切な提案ができる「対応力」と、売却方法や条件に応じた多様な選択肢を提示できる「柔軟性」を備えた会社を見極めて検討しましょう。
汚い状態のマンションを売却する5つのポイント
室内の汚れや老朽化が目立つマンションであっても、工夫次第で売却を成功に導くことは可能です。ここでは、汚い状態のマンションを少しでも好条件で売るために、押さえておきたい5つのポイントを紹介します。
簡易清掃を実施する
内覧時の第一印象は非常に重要です。室内にホコリが溜まっていたり、水回りにカビや汚れが目立っていたりすると、たとえ構造や立地が良くてもマイナス評価につながりやすいです。以下のような基本的な作業を行うだけでも、印象は大きく変わります。
- 掃除機をかける
- 掃き・拭き掃除をする
- 浴室やキッチンなどの水回りを掃除する
自分で対応する時間が取れない場合は、ハウスクリーニング業者に依頼するのも一案です。費用は数万円程度が相場ですが、その投資が売却スピードや価格に反映される可能性もあります。「現状のまま売る」と決めた場合でも、最低限の清掃は行っておくのが望ましいでしょう。
残置物がある場合は処分する
家具や家電、生活用品などの残置物が室内に残っていると、購入希望者に「片付けが大変そう」「間取り図面よりも手狭に感じる」といったネガティブな印象を与えかねません。特に生活感が強く残っていると、買主が購入後の生活空間をイメージしにくくなることもあります。
売却は「現況渡し」でも可能ですが、ある程度の不用品処分を行っておくと反響を得やすくなります。自力での片付けが難しい場合は、不用品回収業者や買取業者の活用も検討しましょう。残置物の有無は、物件の見栄えや買主の心理に直結する重要な要素です。
必要に応じてリフォームする
室内の劣化が進んでいる場合には、部分的なリフォームを検討することも有効です。水回りの設備をすべて新品に変えるような大規模リフォームは不要ですが、壁紙の貼り替えや水栓の交換といった軽微な修繕でも印象を大きく変えることができます。特に水回りの清潔感は、購入希望者が重視するポイントです。
一方で、費用対効果の面から全面リフォームは慎重に判断すべきです。高額な投資をしても、売却価格でその分を回収できるとは限りません。不動産会社と相談しながら「手を加えるべき場所」と「現状のままでよい場所」を見極めていくことが大切です。
リフォームを行うかどうかは、周辺の相場や買主のニーズも踏まえて判断しましょう。最低限の印象改善にとどめることで、過剰な出費を避けながら購入者への訴求力を高められます。
相場に合った価格に見直す
売却価格の設定は、物件の印象や問い合わせ数に大きく影響します。たとえ内装に手を加えても、周辺相場より割高な価格で売り出してしまうと、内覧前に候補から外されることは少なくありません。室内が汚れている場合は、その分を価格に反映することが重要です。
築年数や室内状態、近隣の成約事例などをもとに、現実的な価格を設定しましょう。不動産ポータルサイトや不動産会社の査定結果をもとに、価格に対する買主の期待値を意識することが重要です。
「リフォーム前提で検討する買主」に向けて訴求する場合は、手直し費用を想定した上で価格を調整するのが効果的です。相場よりやや安めに設定することで、購入検討の間口が広がる可能性もあります。
売却方法を柔軟に提案できる不動産会社に依頼する
室内に汚れや劣化が目立つマンションは「どう売るか」が結果を左右します。現況のまま買取に出すか、最低限の清掃だけで仲介に回すか、あるいは一部リフォームを行うかなど、判断を誤れば売却までに時間もコストも余計にかかってしまいます。
だからこそ、状況に応じて柔軟な売却プランを提示できる不動産会社の存在が不可欠です。ただ査定するだけではなく、物件の状態や所有者の事情を踏まえて、最適な方法を一緒に考えてくれる業者を選ぶことが重要です。
不動産会社選びは、成約のスピードにも価格にも大きく関わります。迷ったときは「実績」「対応力」「提案の幅」の3点を軸に、信頼できる会社に相談することをおすすめします。
松屋不動産販売は汚い状態のマンションでもスムーズな売却が可能
「汚れたままの室内で本当に売れるのか」「片付け前の状態でも査定してもらえるか」と不安に感じる方も多いかもしれません。松屋不動産販売では、このような状況の物件でも、数多くの売却実績があります。
現況のまま買い取る選択肢はもちろん、必要最小限の清掃だけで仲介売却するパターンなど、状態に応じた柔軟な売却プランを提案しています。片付けや清掃の前でも査定・相談は可能です。「汚いから売れにくいだろう」とあきらめる前に、ぜひご相談ください。松屋不動産販売では、室内の状態や立地条件などを総合的に判断し、清掃や片付けの手間をかけずに済む「現況買取」や、適切な価格設定による「仲介売却」など、状況に応じた最適な売却方法をご提案します。
まとめ:マンションが汚い状態でも売却は可能!信頼できる不動産会社と相談して最適な売却プランを立てよう!
室内が汚れていたり、残置物が多く残っていたりしても、マンションの売却は十分に可能です。大切なのは「無理にすべてを片付けてから売る」のではなく、物件の状態に応じて最適な売却方法を選ぶことです。清掃やリフォームに過度なコストをかけずとも、現況のままで売却を成功させているケースも多く見られます。
状態の悪い物件をどう売り出すかは、不動産会社の経験と提案力に大きく左右されます。信頼できる不動産会社に相談し、負担を最小限に抑えながらスムーズな売却を実現しましょう。