
オール電化マンションは、安全性や快適性の高さから人気がありますが、その一方で「売れにくい」という声があります。実際に、電気代の高騰や停電時の不便さなどがネックとなり、購入希望者から敬遠されるケースもあります。その結果「なかなか売れない」「値下げをしても購入者が決まらない」と悩む方も少なくありません。
そこで本記事では、オール電化マンションが売れにくいと言われる理由や、他に考えられる要因を整理したうえで、売却を成功させるための3つの具体的な対策を解説します。オール電化ならではの魅力をどうアピールすべきかも理解できるようになっているので、ぜひ参考にしてください。
目次
オール電化マンションが売れないと言われる3つの理由
オール電化マンションは、安全性などのメリットがある一方で「売れにくい」と言われるケースがあります。その背景には、買い手が気にするコスト面や生活上の不安が関係しています。ここでは、特に指摘されやすい3つの理由を詳しく見ていきましょう。
電気代の値上がり
近年の電気料金の上昇は、オール電化物件の売れにくさにつながる大きな要因となっています。特に昼間の電力単価は高く、共働きで日中家を空ける家庭や、ファミリー層にとっては「光熱費がかかりそう」というイメージを持たれがちです。
経済産業省・資源エネルギー庁のデータによると、2012年に23.44円/kWhだった電気料金は2022年には34.00円/kWhと、約1.45倍にまで上昇しています。この数字を見ても、電気の依存度が高いオール電化の暮らしに不安を感じる買主が増えているのは、当然と言えるでしょう。
さらにオール電化では、深夜電力プランを取り入れなければ光熱費が高額になる場合があり、使い方によるコスト差が大きい点も敬遠される理由です。購入希望者の多くは「将来的な光熱費が不透明」と感じるため、売却時には過去の電気料金の支払履歴を開示し、節約方法を紹介するなどの工夫が求められます。
参照元:経済産業省|資源エネルギー庁
高額な修理費用
オール電化マンションは、設備の修理費用の負担が比較的大きいです。IHクッキングヒーターや電気温水器、エコキュートといった電気設備がありますが、これらの修理や交換費用はガス機器と比較して高額になる場合が多いでしょう。
たとえば、IHクッキングヒーターの交換は10~ 30万円前後、エコキュートに至っては30~60万円ほどかかる場合もあります。これらの費用感をあらかじめ理解しておくことで、購入後のトラブルや想定外の出費を避けることができるでしょう。さらに、機器の寿命は10~15年程度とされており、購入後すぐに交換が必要になる可能性もあります。このような背景を踏まえると、売却時にはメンテナンス記録や保証の有無を明確に提示し、購入希望者に安心感を与えることが重要です。
停電による影響を受けやすい
オール電化マンションは調理・給湯・暖房のすべてを電気に依存しているため、大規模停電が発生すると生活が一気に不便になります。ガス併用物件なら、一部機能(乾電池式のガスコンロやガスストーブなど)が使える場合があり、災害時の安心感という点で優位です。
特に近年は地震や台風など、災害のリスクが意識される中「停電時に主要設備がすべて止まる」という不安は買い手にとって大きなマイナスポイントになります。復旧まで時間がかかる場合、日常生活に大きく影響するため、不安を感じる購入希望者も少なくありません。ただし、蓄電池や太陽光発電が導入されている場合は、停電時でも一定時間電力を確保できるため、災害への備えとして強みになります。さらに、エコキュートや電気温水器のタンク内に貯めた水は、非常時の生活用水として活用可能です。このように、オール電化でも防災性を高める工夫がなされていることをアピールできれば、購入希望者の不安を和らげ、成約に結びつく可能性が高まるでしょう。
マンションが売れないのは「オール電化」が原因でないケースも多い
「オール電化だから売れない」と考えてしまうオーナーも多いですが、実際には別の要因が影響している場合も少なくありません。具体的には、以下のようなケースがよく見られます。
- 価格設定が周辺相場より高い
- 築年数が古く、建物や内装の劣化が目立つ
- 不動産会社の集客力不足
- 周辺環境に懸念がある
これらの要因はいずれも、買い手が購入をためらう大きな理由となります。相場より高い価格設定にすると検索から外されやすく、内覧にすら至らないこともあります。また、築年数が古く、内装や水回りの劣化が進んでいる場合、リフォーム費用を考慮した値引き交渉が前提となり、高額設定のままでは敬遠されるでしょう。
さらに、仲介業者の集客力や情報発信力が不足していると、物件の魅力を伝えきれず、ターゲット層へのアプローチが不十分になることもあります。加えて、駅距離や生活利便性、周辺の治安など立地条件も、成約スピードに大きく影響します。売れない理由を「オール電化」に限定せず、複合的に検証することが重要です。
オール電化マンション特有の4つの魅力
「売れにくい」という声もあるオール電化マンションですが、実は買い手にとって大きなメリットがあることをご存じでしょうか。ここでは、オール電化マンションの代表的な4つの魅力を解説します。強みをしっかり把握することで、売却活動を有利に進めることができます。
火災リスクが少ない
オール電化の最大の特徴は、ガスを使わないことで火災リスクを大幅に低減できる点です。ガス漏れや火の不始末による事故の心配が少なく、調理中の引火や着衣着火といったトラブルも防げます。小さなお子様や高齢者がいる家庭だけでなく、安全性を重視する方にとって大きな安心材料となるでしょう。
さらに、IHコンロには自動停止機能や温度管理機能が搭載されており、揚げ物の過熱や火の消し忘れにも対応できます。万一鍋の温度が異常に上がれば自動で加熱を止めるため、火災の発生を未然に防げる設計です。
このような安全性能は、在宅時間の長い家庭や仕事で忙しい層など「安心して暮らせる家」を求める幅広い人に響くポイントです。
光熱費の支払いが一本化される
オール電化マンションでは、ガス契約を結ぶ必要がないため、光熱費の支払いを電気に一本化できます。ガスの基本料金が発生しない分、固定費を減らせるだけでなく、毎月の請求書や口座引き落としもシンプルになり、家計管理がしやすくなるのが特徴です。
さらに、電力会社や料金プランの選び方次第では、光熱費を抑えることも可能です。たとえば、深夜電力を活用する「時間帯別プラン」を利用すれば、電気給湯器が夜間に自動でお湯を沸かすことで、日中に比べてコストを大幅に抑えて給湯できるようになります。
電気とガスを併用する暮らしと比較した場合、プランを上手に活用できる人にとっては、トータルコストが下がるケースも多いです。このように、工夫次第でランニングコストを抑えられる点を、購入希望者にわかりやすく説明することが大切です。
IHコンロの手入れが簡単
IHコンロのもう1つの強みは、掃除のしやすさです。ガスコンロのように複雑なゴトクやバーナー部分がなく、強化ガラスのフラットな天板になっているため、調理後は布巾で拭くだけでキレイになります。焦げ付きや油はねが起きにくい構造で、手入れの時間が大幅に短縮されます。
また、オール電化マンションで採用されているIHコンロは、多くがビルトインタイプとなっており、見た目もスタイリッシュです。キッチン全体にスマートな印象を与え、インテリアにこだわる購入層にも好印象を与えます。こうした掃除のしやすさやデザイン性は、共働き世帯や時短を重視する層に強く響き「家事の負担が減る」という点でアピールポイントになります。
災害時の復旧が早い
オール電化は災害時に不安というイメージを持たれがちですが、実は電気は都市ガスと比較して復旧が早い傾向があります。大規模災害時でも、送電設備の復旧スピードはガス管の安全確認や修理よりも早いことが多く、停電から数日で生活が戻るケースが一般的です。この点は、防災を重視する層にとって大きな安心材料です。
さらに、エコキュートや電気温水器が備わっているマンションでは、非常時にタンク内の水を生活用水として利用できます(飲料用には不適ですが、トイレや洗浄に活用可能)。
これらの情報を伝えることで、購入希望者に「万一のときも安心できる設備がある」と感じてもらえます。また、太陽光発電や蓄電池を併用している場合は、停電中でも一部の電力を確保できるため、付加価値として積極的にアピールしましょう。
オール電化マンションを売るための3つの対策
「オール電化は売れにくい」と言われても、実際には販売戦略次第でスムーズに売却することが可能です。特に重要なのは、物件の強みを最大限に活かし、購入希望者が抱きやすい不安を解消することです。ここでは、オール電化マンションを高く、そして早く売るために実践したい3つのポイントを紹介します。
ターゲットを明確にした販売戦略を立てる
オール電化の魅力は、ターゲットによって響くポイントが異なります。そのため、購入希望者のライフスタイルに合わせて訴求内容を変えることが大切です。たとえば、小さなお子さんがいる家庭には「火を使わないので火災リスクが低く、安全性が高い」点を強調しましょう。調理中の引火事故やガス漏れの不安がないことは、子育て世帯にとって大きな安心材料です。
共働き世帯には、IHコンロの利便性や清掃のしやすさを訴求します。「火の元を気にせず出かけられる」「調理後はサッと拭くだけで掃除が完了」など、時短や安全性に直結する具体的なメリットを提示することで、共感を得やすくなります。また、防災を重視する方には、太陽光や蓄電池の併用で停電時も電力を確保できることを伝えると、より好印象を与えられます。
光熱費と節約方法を共有して買主の不安を減らす
購入検討者が不安を抱きやすいのが、電気料金の高さです。この不安を解消するためには、実際の支出をできるだけ具体的に提示しましょう。過去1年間の電気料金明細を用意し、月平均額や季節ごとの変動を説明することで、「思っていたほど負担が大きくない」と納得してもらいやすくなります。
さらに、節約方法を併せて提案できれば、安心感が一層高まります。たとえば、エコキュートの効率的な使い方や、深夜電力を活用するプランを紹介すれば「工夫次第で光熱費を抑えられる」というイメージを持ってもらえます。これらの情報は、内覧時や広告資料に盛り込むと効果的です。
オール電化の安全性と設備の優位性をアピールする
最後に、オール電化ならではの強みをしっかり伝えることが重要です。まず、IHコンロは火を使わないため、ガスコンロに比べて火災リスクが低い点を明確に説明しましょう。加えて、蓄電池や太陽光発電を備えている場合は、停電時に一定時間電力を確保できる点をアピールできます。こうした防災面での優位性は、購入者の安心感につながります。
さらに、エコキュートや電気式床暖房など、オール電化特有の快適設備も忘れずにアピールしましょう。特に、断水時にはエコキュートや電気温水器のタンク内の水を生活用水として活用できる点は、非常時の備えとして高く評価されます。こうした「安全」「快適」「防災」の3つの強みを具体的に示すことが、購入意欲を高めるカギとなります。
オール電化マンションの売却は松屋不動産販売にお任せください
オール電化マンションは、購入希望者のライフスタイルに応じた訴求が重要です。松屋不動産販売なら、地域の相場や需要を踏まえたうえで、火災リスクの低さや快適な設備といったオール電化ならではの強みを効果的にアピールできます。さらに、IHコンロやエコキュートなどの設備の特徴、修理履歴や保証内容といった購入希望者が重視する情報も、わかりやすく提示できるようサポートします。
広告戦略から内覧対応まで一括でお任せいただけるので「売れにくいかも」と不安を感じているオーナー様も安心です。松屋不動産販売は、静岡県内で培った豊富な売却実績と地域ニーズへの深い理解を活かし、早期売却と納得の価格を目指します。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ:オール電化マンションがなかなか売れないとき販売戦略を見直しましょう
オール電化マンションは「売れにくい」と思われがちですが、原因は必ずしもオール電化だけではありません。価格設定や築年数、周辺環境など複数の要因を見直すとともに、安全性や快適性といったオール電化ならではの魅力をしっかり伝えることが大切です。
また、購入希望者が不安を抱きやすい光熱費や停電時の対応策についても、具体的な情報を提供することで安心感を与えられます。「どう進めればいいかわからない」という方は、オール電化物件の販売経験が豊富な松屋不動産販売へご相談ください。地域特性を踏まえた販売戦略で、早期売却と納得の価格を実現します。