
不動産価格が上昇傾向にある昨今、自宅を「買った時より高い価格で売却できるのでは」と期待している方も多いのではないでしょうか。特に築浅物件や再開発予定地などは人気があり、高く売れるチャンスです。高値売却ができる家の特徴を知ることで、売出価格の設定といった販売戦略が変わります。
この記事では、買った時より高く売れる家の特徴や、売却時の注意点などを解説します。仲介を依頼する不動産会社の重要性や活用できる控除や軽減税率も理解できる内容となっているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
不動産の価格は上昇傾向にある
国土交通省が公表している「不動産価格指数」によると、不動産価格はここ数年右肩上がりで上昇しています。
引用元:国土交通省「不動産価格指数(令和7年2月・令和6年第4四半期分)を公表」
特にマンションの上昇度合いは戸建てよりも大きく、買った時よりも高く売れる可能性が高いでしょう。一方で戸建てに関しても、管理状況や立地次第では、高値で売却できる可能性があります。
不動産価格が上昇している理由の1つは、建設資材の価格上昇や人件費の高騰です。また、円安の影響で外国人にとって日本へ投資するメリットが増している状況も、理由として考えられます。建設コストの上昇や為替の状況など、さまざまな状況が重なった結果、不動産の価格が上昇しているのです。
買った時より高く売れる家の特徴5選
購入希望者からの需要が高い家は価格が上昇しやすいため、買った時より高く売れる可能性があります。ここでは、高く売れる家の具体的な特徴を5つ紹介します。ご自宅に当てはまっている特徴がないか、確認しながらご覧ください。
建築後おおむね5年以内の築浅物件
「築浅物件」に明確な定義はないものの、新築に近い状態であればあるほど、買主が現れやすくなります。家の設備が新しく、外観や内装がきれいな状態ほど魅力的に見えるためです。
また、耐震性や省エネ性能が優れており、機能性や快適性が高い点も人気を得やすい理由です。多くの買主候補者がいれば、市場原理により価格が上昇するため、買った時よりも高く売却できる可能性が高まります。
住みやすく人気が高いエリアにある
「駅徒歩10分以内」のように、交通利便性が高く通勤・通学に便利な物件も人気です。商業施設や医療機関、教育施設が充実した立地の物件も生活利便性の高さから、さまざまな層から関心を得られます。
特に、メディアで取り上げられる「住みたい街ランキング」で取り上げられるようなエリアは、多くの方から注目されます。「多くの人が欲しがる物件」は、競争原理により価格が上昇するため、買った時よりも高く売却できる可能性が高いでしょう。
近隣で再開発の予定がある
駅前の再開発や大型商業施設建設など、周辺環境が改善されるような再開発が予定されているエリアは、不動産価格が上昇しやすい傾向にあります。
再開発に伴って交通インフラが整備されれば、生活利便性が向上します。行政の街づくり計画がある場合は長期的な発展が見込まれるため、資産価値の上昇が期待できるのです。
他にも、大規模な工場が建てられる際には新たな雇用が生まれ、エリア全体に活気が出ることもあります。「地域全体が注目される→地価が上がる→家を含めて不動産価格が上がる」という流れにより、買った時よりも高く売れる可能性が高まります。
希少性が高い【日当たり・眺望など】
良い日当たりや美しい眺望などの付加価値は、その家が持つ唯一無二の特長です。たとえば、マンションなら角部屋や最上階、戸建てなら南面道路や角地などの家は、高い付加価値があります。
「その家ならでは」の特別な条件は、他の家では手に入りません。希少性が高く、多くの方から関心を引ける家は、価格が上昇しやすいでしょう。
生活しやすい間取り・設備仕様
生活動線が整理された間取りや、暮らしを便利にする設備が備わっている家は、利便性の高さから多くの人から関心を得られます。たとえば、テレワーク用の個室(書斎)があり、断熱性や気密性が高くストレスを感じにくい家があげられます。
また食器洗い乾燥機や全館空調など、暮らしの利便性を高める設備がある家も競争力が高いです。住みやすい間取りや新しい設備が整っていれば、買主も快適な生活をイメージしやすくなります。間取りや設備の面で周辺物件と差別化できれば、買った時より高く売れる可能性が高まります。
家を買った時より高く売る8つのコツ
売却活動は主に不動産会社が行いますが、売主は何もしなくてもよいわけではありません。ここでは、家を売り出すにあたって売主が実践すべき対策を解説します。
売主自身で相場を調査する
家を売却する際、主に営業活動を行うのは不動産会社です。しかし、売主自身もエリアの相場や類似の取引事例を調べて、価格相場を把握しましょう。
売主自身で相場を調査することで、不動産会社が出す査定結果が妥当であるかを判断できます。相場を調査する方法は、不動産ポータルサイトで類似物件の売出価格をチェックしたり、成約事例データベースや国土交通省の不動産取引価格情報を参照したりする方法があります。
物件の状態を良好に保つ
外壁や屋根の定期点検・メンテナンスなどを行い、物件の状態を良好に保ちましょう。家の状態に不安があると、なかなか購入を決断してもらえないためです。内覧の案内をしているときに清潔感をアピールできる物件だと、相手に安心感を与えられます。
その結果、売主が希望している価格で成約する可能性が高まります。清潔感を重視する買主は多いため、水回り設備の清掃・修繕や室内の壁紙や床材の状態など、細かい点にも意識を払うとよいでしょう。
不動産取引が活発な時期に売り出す
不動産取引が活発な時期は需要が増えるため、価格が上昇します。具体的には、新年度が始まる転勤シーズン(1~3月頃)に成約して物件を引き渡せるスケジュールを意識しましょう。
逆算すると、遅くとも前年の10~11月頃には売り出し始める必要があります。希望通りの価格で売却するためにも、不動産会社の担当者と相談しながら、スケジュールを考えましょう。
価格交渉を想定した金額で売り出す
不動産取引では、売主と買主の価格交渉がつきものです。販売当初は「値引き交渉を受ける」ことを想定をしたうえで、価格を設定しましょう。
価格設定のイメージは、近隣で売り出されている類似物件をやや上回る程度です。たとえば、周辺の相場が3,000万円だった場合、3,200万~3,500万円程度で売り出すイメージです。
ただし、価格の上げ過ぎに注意しましょう。周辺の物件よりも明らかに高すぎると、購入希望者の関心を引けず、成約までに時間がかかってしまう可能性があるためです。売れ残り物件のイメージが付いてしまうと、当初の想定よりもさらに値下げせざるを得なくなる事態も起こり得ます。
余裕を持った売却スケジュールを組む
売れない期間が長引くと値下げの圧力がかかり、希望価格での売却が難しくなります。また、心理的にも落ち着かなくなり、ストレスを感じる方は多いでしょう。
不動産は、売り出してから1年以上売れないこともあり得ます。当初予定していた時期(住み替えや相続税の納税時期など)までに売れないような事態を防ぐためにも、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
あらかじめ余裕を持ったスケジュールを組んでおけば、安値で妥協して売却する事態を防げます。また、購入を検討している人が複数現れた場合に十分な交渉期間を確保できるため、高く売れる可能性が高まります。
販売実績が豊富な不動産会社に仲介を依頼する
家を売るときは、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。同じエリアで似たような物件の販売経験がある不動産会社は、スムーズに買主を探し売却を進めてくれることが期待できます。
不動産会社の販売力次第で、成約までのスピードや売却価格は左右されます。マーケティング力や販売チャネルの充実度、販売実績などを確認し、安心して仲介を依頼できるか評価することが大切です。
反響度合いや周辺相場の情報を知るためにも、普段の提案力やコミュニケーションを通じて、担当者の専門知識や人柄なども確認しましょう。
「不動産を高く売るための成功のコツと査定に影響する要因を解説!」
査定額だけで仲介を依頼する不動産会社を選ばない
家を売り出す前には、複数の不動産会社に査定を依頼する流れが一般的です。査定額だけで仲介を依頼する不動産会社を判断するのではなく、販売実績や信頼度なども加味しましょう。
査定の段階では自社に依頼してほしいがために、相場とかけ離れた金額を提示する不動産会社が存在します。信頼できる不動産会社かを判断するために、査定額の根拠や妥当性などを質問し、納得できる回答を得られるかを確認してみましょう。
不動産会社に任せっきりにしない
家の売却活動を、不動産会社に任せっきりにするのはおすすめしません。不動産会社が値下げの提案をした場合でも、売主自身が販売活動の状況を確認し相場を把握しておくことで、提案の妥当性を判断できます。
販売戦略や適切な価格設定についても、不動産会社の担当者と建設的な意見交換ができます。不動産会社と積極的にコミュニケーションを取り、内覧対応や物件のPR活動に協力すれば、物件の魅力を効果的にアピールしてくれるでしょう。
家を売却する時の注意点
家を売るときにはさまざまな費用が発生し、売却後も税金が発生します。特に、税金を納めるタイミングは翌年になる点に注意が必要です。ここでは、2つの注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
諸費用を考慮する
不動産取引では、以下のようにさまざまな費用が発生します。
- 仲介手数料
- 司法書士への報酬
- ハウスクリーニング・修繕費用
- 住宅ローン関連費用(繰り上げ返済手数料)など
せっかく家が買った時より高く売れたとしても、諸費用が利益を圧迫するケースがあります。諸費用を事前に考慮しておかないと、想定よりも手元に残る利益が少額だった、という事態になりかねません。
税金を考慮する
家を売る際は、諸費用だけでなく税金も考慮する必要があります。買った時より高く売れた場合は「譲渡所得」が発生し、所得税と住民税を納めなければなりません。
なお、譲渡所得に対する税率は以下のとおりです。
|
所得税(復興特別所得税含む) |
住民税 |
長期譲渡所得 |
15.315% |
5% |
短期譲渡所得 |
30.63% |
9% |
参照元:国税庁「土地や建物を売ったとき」
所得税と住民税の他にも、印紙税や登録免許税などの税金も発生します(登録免許税は買主が納めるケースが一般的)。
なお、所得税を納めるタイミングは翌年の確定申告時、住民税は翌年の6月以降です(一括払いか年4回の分割払い)。納税のタイミングは売却してから遅れてやってくるため、忘れずに資金を用意しましょう。
3,000万円の特別控除の特例
「3,000万円の特別控除の特例」とは、譲渡所得が発生したとき、3,000万円を控除できる特例です。売却した家を自宅として使用しており、以下の要件を満たせば適用されます。
- 確定申告を提出する
- 以前住んでいた家の場合には、住まなくなってから3年が経過した日を含む年の12月31日までに売却する
- 親子や夫婦など「特別の関係がある人」に対して売ったものでない
他にも詳細な条件はあるものの、特例を利用できれば、100万円以上の節税も可能です。
マイホームを売ったときの軽減税率の特例
マイホームを売ったときの軽減税率の特例とは、保有期間が10年を超える自宅を売ったとき、通常よりも低い税率が適用される制度です。特例が適用されれば、以下のように通常よりも納税額が優遇されます。
課税長期譲渡所得金額 |
税額 |
6,000万円以下の部分 |
10% |
6,000万円超 |
15%+600万円 |
なお、3,000万円の特別控除の特例と、マイホームを売ったときの軽減税率の特例は併用できます。それぞれの要件を満たす場合は、納税額を軽減して手元に残せる利益を最適化できるでしょう。
「不動産を高く売るための成功のコツと査定に影響する要因を解説!」
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仲介を依頼する不動産会社によって、売却金額が数百万円違ってくるケースはあり得ます。家を高く売却するためには、実績が豊富で信頼できる不動産会社に相談することが大切です。
松屋不動産販売株式会社では、地域に根差した豊富な取引実績と相場感をもとに、適正な価格査定と丁寧な売却プランを提案しています。静岡県内で信頼できる地元の不動産会社を探している方は、松屋不動産販売にぜひご相談ください。
まとめ:家を買った時より高く売るには相場の把握や信頼できる不動産会社選びが大切
買った時より家を高く売るには、まず自身で相場を把握し、物件の状態を良好に保つことが大切です。また、販売実績が豊富で信頼できる不動産会社を選び、売却時期の選定や価格交渉を想定した戦略的な価格設定をしましょう。
実際に家が売れるまで、1年以上の期間がかかる可能性もあり得ます。安心して家の売却を進めるためにも、親身になって相談やアドバイスをしてくれる、専門家のサポートを受けましょう。