
無事に家が売れても、すぐに現金が手元に入る訳ではありません。売買契約の締結から決済・引き渡しまでの期間があり、問題なく完了すれば入金が行われます。
さらに家が売れた代金の一部は、住宅ローンの返済や譲渡所得税などに充てられるため、最終的に手元に残る金額を把握しておくことが大切です。この記事では、家が売れてからお金が入るまでの流れを解説します。お金が入るまでの注意点や必要な費用なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
家が売れてお金が入るタイミングは3つに分かれる
家を売却したときにお金が手元に入るタイミングは、主に以下の3つに分かれます。
- 売買契約時
- 決済・引き渡し時
- その他の精算・還付
売買契約時には買主から手付金を受け取りますが、住宅ローン特約が適用され契約が白紙解除となった場合には返還が必要です。原則的に売却金額は、決済・引き渡し時に買主のローン実行とともに振り込まれます。なお、家の売却により利益が出た場合には、譲渡所得税がかかる点にも注意しましょう。
そのほか、固定資産税の清算金や火災保険の解約返戻金、確定申告による還付金などを受け取るケースもあります。各タイミングの特徴を理解しておくことで、無理のない資金計画につながります。
家が売れてお金が入るまでの期間は2〜3ヶ月が目安
売買契約を結んでから実際にお金が振り込まれるまでには、一般的に2〜3ヶ月程度かかります。これは契約締結後に、ローン審査や引き渡し準備といった工程があるためです。
家が売れた後でも、想定より入金が遅くなるケースがあります。資金が必要になるタイミングに間に合うよう、あらかじめスケジュールに余裕を持たせておくことが大切です。ここでは、家が売れてお金が入るまでの具体的なスケジュールや、入金が遅れるケースについて解説します。
家が売れてからお金が入るまでのスケジュール
不動産売買における「家が売れた」とは、売主と買主のあいだで売買契約が正式に締結された状態のことです。売買契約を結んだあとに支払われる手付金は代金の一部であり、残りの金額は後日まとめて支払われます。契約締結後は、買主による住宅ローンの本審査や引っ越し準備、売主側の書類の用意などが進められます。
住宅ローンを活用する場合、融資の実行までに最短で3週間前後かかることが一般的です。決済日には不動産会社や司法書士など関係者が集まり、残代金の支払いと所有権移転の手続きが行われます。
売買契約から決済・登記までの手続きが完了した段階で、売却代金から住宅ローンの残債や仲介手数料などを差し引いた金額が売主の口座に入金されます。売買契約から入金完了までの期間は、平均して2〜3ヶ月程度です。売主の引っ越し資金やローン返済のスケジュールに影響するため、全体の流れを把握したうえで余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
入金が遅れる可能性があるケース
家を売却したあと、入金のタイミングが予定よりも遅れることがあります。例えば、隣地との境界確定や測量の立ち会いが必要な場合は、近隣住民との日程調整に時間がかかるケースがあります。
買主の出張や売主の入院といったやむを得ない事情によって、決済スケジュールが後ろ倒しになることもあるため注意が必要です。また、売主や買主の書類に不備がある場合や、登記の準備が予定どおり進まない場合には、入金が遅れる恐れがあります。
金融機関や司法書士とのやり取りに時間がかかると、決済日が遅延するケースもあるため、関係者とのスケジュール調整を行っておくことが重要です。引越し資金やローン返済など、お金の使い道が決まっている場合は、余裕のある資金スケジュールを組んでおきましょう。
家が売れてからお金が入るまでの流れ4ステップ
家の売却では、売買契約の締結から入金までに複数の手続きが発生します。一般的には手付金の受領、決済準備、物件の引渡しを経て残代金が振り込まれる流れです。さらに売却益が出た場合は、翌年の確定申告も必要となります。ここからは、家が売れてからお金が入るまでの流れについて解説します。
売買契約の締結
購入希望者と条件が合意に至ると、売主・買主のあいだで売買契約を結び、買主から売主へ「手付金」として売買代金の一部が支払われます。手付金の相場は、売却価格の5〜10%程度です。
契約書には、引渡し予定日や解約に関する取り決めなども明記され、双方が内容に合意したうえで署名・押印が行われます。売買契約の締結が完了しても、すぐにお金が全額振り込まれるわけではないため注意が必要です。契約締結後は、引渡しに向けた準備を進めます。
決済・引渡しの準備
売買契約の締結後は、スムーズな決済・引渡しに向けた準備が必要です。買主は住宅ローンの本審査を受け、資金の段取りを進めます。一方で売主は登記に必要な書類をそろえ、抵当権抹消の準備や住民票の取得などを進めておく必要があります。
また、金融機関や司法書士との日程調整も重要です。こうした手続きに不備や遅れがあると、予定していた決済日が後ろ倒しになる恐れがあります。通常は、契約から2〜3ヶ月後に決済日を設定するケースが多く、余裕を持ったスケジュール管理が求められます。
物件の引渡し
決済日当日は、買主から残代金が支払われると同時に、鍵や登記関連の書類を引き渡し、物件の所有権が正式に移転されます。売主が受け取る金額は、売却価格から以下の費用を差し引いた後の金額です。
- 仲介手数料
- ローンの残債
- 登記費用
当日は司法書士も立ち会い、所有権移転登記の手続きが確実に行われるようサポートします。残代金の振込が確認されることで、売却手続きが完了となり、このタイミングが実質的な「入金日」となります。
確定申告
不動産の売却によって利益が出た場合は、譲渡所得として翌年に確定申告が必要となります。一方で損失が出た場合には、特例により他の所得と損益通算を行い、税金が還付されるケースもあります。
譲渡所得の金額を正しく算出するには、取得費や仲介手数料などの経費、さらには建物の減価償却費などを反映させることが必要です。計算が複雑になることもあるため、申告に不安がある場合は、税理士に相談すると安心です。
確定申告の提出時期は、売却した年の翌年2〜3月の間と定められています。手続きの準備が遅れて申告漏れにならないように、早めに必要書類を揃えておきましょう。
家が売れてお金が入るまでの3つの注意点
家の売却では、契約を結んだ時点で「売れた」とはいえ、実際にお金が手元に入るまでは複数の段階があります。入金が完了するまでに、思わぬ遅れや想定外の出費が発生することもあるため、事前の確認と準備が重要です。ここでは、家が売れてお金が入るまでに注意すべき3つのポイントを解説します。
お金が入る時期が遅れる可能性がある
家の売却代金は売買契約の締結時ではなく、決済と引渡しが完了した時点で支払われるのが一般的です。そのため売買契約を結んでも、すぐに現金が手元に入るわけではありません。特に注意したいのが、買主側の住宅ローン審査や資金調達に時間がかかり、決済日が当初の予定より遅れるケースです。
スケジュールが後ろ倒しになると、引越し費用やローン返済などの計画にも影響を及ぼします。不測の事態に備えて、売却後の資金計画には余裕を持たせておくことが大切です。あらかじめ不動産会社と決済のタイミングを確認し、全体の流れを把握しておきましょう。
引渡しが終わるまで手付金には手をつけない
売買契約を結ぶと、買主から売主へ「手付金」が支払われますが、これはあくまで売買代金の一部としての仮払いであり、引渡しが完了するまでは売主の利益として確定するものではありません。手付金には「証約手付」「解約手付」「違約手付」といった性質があり、契約内容や解除の理由によっては、返還義務が発生する場合があるため注意が必要です。
例えば、住宅ローン特約付きの契約で買主の融資が通らなかった場合は、契約が白紙解除となり、受け取った手付金も返還対象となります。一方で、買主が自己都合で契約を解除し手付金を放棄する場合、売主がそのまま受領できるケースもあります。
手付金は条件によって返金が必要になる場合もあるため、契約前に手付金の性質や解除条件を確認することが重要です。不安がある場合は、不動産会社や司法書士に相談しながら進めましょう。
手元に残るお金が少なくなることがある
家を売却してまとまった金額が入ると思っていても、実際に自由に使えるお金は想定より少なくなるケースがあります。売却代金からは、仲介手数料や登記費用、住宅ローンの一括返済などが差し引かれ、受け取れる金額が想定より少ない場合もあるでしょう。
さらに、譲渡所得が発生する場合には、翌年の確定申告で所得税や住民税がかかるため、納税による支払いが発生する可能性もあります。こうした費用を見落とすと、住み替えに必要な資金が不足したり、老後資金の見直しを迫られたりする恐れも出てきます。
安心して売却を進めるには、あらかじめ必要経費を見積もり、不動産会社や税理士に相談しながら資金計画を立てることが重要です。売却後の資金状況を具体的に把握しておくことで、今後の住まいや資金の使い方を検討しやすくなります。
家が売れたときにかかる費用と税金
家を売却すると、売却代金がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料や登記費用、住宅ローンの残債などが差し引かれるため、手元に残る金額は想定より少なくなることもあります。
また、売却で利益が出た場合には税金の支払いも発生します。
費用や税負担を正しく把握しておくことで、住み替えや資金計画をスムーズに進められるでしょう。ここでは、家が売れたときにかかる費用と税金について解説します。
売却代金から差し引かれる費用
家の売却では、提示された売却価格がそのまま手元に残る金額ではないため注意が必要です。実際には、以下の費用が差し引かれた後の金額が手元に残ります。
- 仲介手数料
- 司法書士への報酬
- 登記関連の費用
- 住宅ローンの残債
例えば住み替えや建て替えを予定している場合、使える資金がどれくらいかを把握しておかないと、計画に影響が出る可能性があります。そのため「支払うお金」と「残るお金」をあらかじめ明確に区別しておくことが大切です。
各費用項目の目安を一覧にし、住み替え費用や老後資金など用途ごとのシミュレーションを行っておくことで、余裕を持った判断につながります。
売却益にかかる税金
家の売却によって利益が出た場合、その利益には「譲渡所得税」がかかることがあります。課税対象となる譲渡所得は、売却価格から取得費や仲介手数料などの諸費用を差し引いた金額で計算されます。
譲渡所得税の税率は不動産の所有期間によって異なり、5年を超えて保有していた場合は「長期譲渡所得」として扱われ、5年以下の「短期譲渡所得」よりも低い税率が適用される仕組みです。さらに10年以上保有していた物件では、一定の条件を満たせば軽減税率の適用も可能です。
自宅を売却する場合には「居住用財産の3,000万円特別控除」の特例を利用できる可能性もあります。この特例を適用できれば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができ、課税額を大きく抑えられます。
譲渡所得税の特例や軽減措置を適切に活用するためには、確定申告が必要です。早めに不動産会社や税理士へ相談しておくと、売却後の手続きや納税準備がスムーズに進みます。税負担も含めた全体の資金計画を立てておくことが、安心して売却を進めるためのポイントです。
家を売る際の2つの進め方の違いをお金の流れで解説
住み替えを検討する際には「売り先行」か「買い先行」かによって、お金の流れや必要となる準備が大きく変わります。どちらを先に進めるかによって資金計画の立て方やローンの組み方も異なるため、それぞれの進め方の特徴を理解しておくことが重要です。ここでは、家を売る際の2つの進め方の違いによるお金の流れを解説します。
売却資金を確保しやすい売り先行
住み替えで資金面の不安を抑えたい場合には、先に自宅を売却する「売り先行」という進め方があります。売却代金をもとに新しい住まいの購入資金を確保できるため、住宅ローンの審査に通りやすく、二重ローンも回避しやすくなります。無理のない資金計画を重視する方にとって、安心感のある方法といえるでしょう。
一方で、新居の購入前に家を手放すことになるため、仮住まいへの一時的な引っ越しが必要になります。仮住まいの家賃に加え、引っ越し費用や荷物の保管料など、追加の支出が発生する点には注意が必要です。自宅の売却後に新しい住まいへ移るまでの期間を確保し、引っ越しや住まい選びを計画的に進めることが、スムーズな住み替えにつながります。
住み替え先をじっくり選べる買い先行
住み替え先の条件にこだわりたい場合は、先に新居を購入する「買い先行」が適しています。売却を急がずに済むため、立地や間取りなど理想の条件に合った物件をじっくり選べます。また、引っ越しが一度で済むことから、日常生活への影響を最小限に抑えられる点もメリットといえるでしょう。
一方で、現在の自宅を売却する前に新居を購入する必要があるため、資金繰りの難易度は高くなります。さらに想定よりも売却が長引いた場合、住宅ローンの二重払いが発生する可能性もあるため注意が必要です。
無理のない資金計画を立てるためには、売却金額や時期の見込みを事前にシミュレーションしておくことが重要です。不動産会社への相談を早めに行い、購入と売却のバランスを踏まえたスケジュールを組んでおくと、買い先行でも安心して住み替えが進められます。
家を売る際にお金が必要な時期が決まっているなら松屋不動産販売にご相談ください
住み替えでは「買い先行か売り先行か」など判断に迷う場面も多く、スケジュールや資金計画に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。特に「入金が必要なタイミングが決まっている」「仮住まいは避けたい」など条件がある場合は、事前に戦略的な計画を立てておくことが大切です。
松屋不動産販売では、静岡エリアでの豊富な取引実績と地域の市況を踏まえ、一人ひとりの事情に合わせた売却プランをご提案しています。売却と購入を並行して進めたい場合でも、提携先と連携しながら柔軟な対応が可能です。
初めての住み替えで不安を感じる方にも、経験豊富なスタッフが売却から引き渡しまで、手続きの見落としがないよう丁寧にフォローいたします。「何から始めればいいか分からない」という方でも、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ:家が売れてお金が入るまでの流れを理解して後悔のない売却を目指そう
家を売ってお金が手元に入るまでには、売買契約や決済など複数の段階があり、入金の時期や金額にも差が出ることがあります。譲渡所得にかかる税金や住み替え時の資金計画まで含めて、売却には幅広い知識と準備が重要です。
「売り先行」か「買い先行」かといった進め方の選択も、状況に応じた判断が求められます。初めての方でも安心してご相談いただけるように体制を整えていますので、静岡エリアでの売却は、豊富な実績とノウハウを持つ松屋不動産販売にお任せください。